浮舟(うきふね)
八の宮の姫。大君と中の君の異母妹。大君に生き写し。
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八の宮の北の方が亡くなった頃、中将の君と八の宮との間にできた娘が浮舟。しかし、出家を考えていた八の宮は、浮舟を娘と認めなかった。
浮舟が初瀬の観音さまのお参りをした帰りに宇治に寄ったところ、ちょうど来ていた薫の目に留まる。婚約者だった左近の少将は、浮舟が常陸(ひたち)の守の実の娘ではないと知ると、その縁談を断り、浮舟の妹姫と縁談を進めてしまった。
いたたまれなくなった浮舟を思い、中将の君は中の君に頼み、二条院においてもらうが、匂の宮に知られ、三条あたりの隠れ家に移り住む。
その後、薫と結婚し、宇治に住むが、それを知った匂の宮が薫の不在を狙い、浮舟のもとに通うようになる。薫と匂の宮との恋に悩み、引き裂かれそうになった浮舟は、辞世の歌を残し、一人宇治川に消えた。
しかし、彷徨い倒れたところを横川の僧都に助けられ、中将の君(庵主の娘婿)に想われ再度悩み、やがて出家の道を選ぶ。浮舟の消息を知った薫が会おうとするが、浮舟は断固拒否する。そして自らの行く末を思い、行き着くところを悟り、彼女は一人宇治川に佇むところでこの壮大な物語は幕を閉じる。
- 《源氏物語 「宇治十帖」編 あさきゆめみし 其の六〜十一》
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