源の典侍(げんのないしのすけ)
桐壺帝の頃の典侍。老齢ながらも、恋に生きる恋愛の達人。
スポンサード リンク
六十歳手前の年齢でありながらも、いまだに数多くの崇拝者を持つという、恋多き源の典侍。恋をすることで若々しさを手に入れている。
修理(すり)の大夫(かみ)という長年の恋人はいるけれども、まだ若かりし頃の光源氏の美しさに目を留め、積極的にアプローチし、
人々から光源氏と恋人同士だと誤解を受けるような態度をし、女房達の噂の的になる。
その噂を聞いた頭の中将は、光源氏がはまったという老女の恋のダイゴ味を知りたいと源の典侍に恋をけしかけたが、
そのダイゴ味を理解することができなかった。しかし、それでも恋に破れた若い女房達は、
宮廷の花たる貴公子を二人も射止めた源の典侍に嫉妬した。
噂ばかりが先立ち、残念ながら(?)源の典侍と光源氏は恋仲ではなかったが、 ある雨上がりの日に琵琶を弾いていた源の典侍に出会った光源氏は、彼女の恋のかけひきの殿上人らしい品の良さに惹かれ、「おばあさま孝行だ」 と一夜を共にする。ところが、それを知った頭の中将に踏み込まれ、二人の悪ふざけな争いに源の典侍はあっけに取られる。
しかし、恋の達人である源の典侍は、昨夜の争いで忘れられた頭の中将の帯と光源氏の端袖(はたそで)を恋人の修理の大夫に届けさせ、 源の典侍の色好みをからかって得意になっていた二人に、恋の道の奥深さを知らしめた。
- 《源氏物語 あさきゆめみし 其の六》
それから光源氏と頭の中将の訪れはさっぱり途絶えてしまったのか、あったのか不明だが、葵祭りの日、 紫の上とともに出かけた光源氏の車に場所を譲った源の典侍は、相変わらずだった。
そして、時は経ち、彼女も出家し、桃園式部卿の宮の妹である五の宮の弟子になり、そこで光源氏に出会う。恋の達人であった源の典侍も、
さすがに年を取り、出家してい身分になった為か光源氏の誘いを断るが、性格は変わらないのか、光源氏を見つめる眼差しも熱く、
小さなハートがたくさん飛び交っている。
源の典侍は、恋に関して最後まで、あの光源氏に勝ちを譲らなかったという不敵な女性である。
- 《源氏物語 あさきゆめみし 其の九・二十二》
スポンサード リンク
